以下の報告書は「ちば環境再生県民の会」会報に投稿したものです。
●菜の花エコ・いすみ栽培経過報告
〈概要〉
プロジェクトメンバー:20名(常時参加は5~6名)
会長:藤木 勲さん、事務局長:伊藤 幹雄
栽培地:いすみ市日在 5a、畑地、市内梨栽培農家了解のもと実施
経過:
2007年
9月19日 苦土石灰の鋤き込み、耕運機借用
9月26、27日 元肥として牛フン堆肥1500kgを鋤き込み、畝立て(14列40M)
10月7日 種蒔き、10名参加
10月14日 発芽
11月初旬 雑草取り、間引き、ヨトウ虫被害が出始める。忌避剤散布による対策を行う。
11月下旬から12月末まで 苗の生育に合わせ、間引き、雑草取り
2008年
1月下旬 ヒヨドリによる食害被害が出始める。
2月3日 防鳥ネットを全域に張り込む。間引きの継続、雑草取り
2月下旬 成長差が大きくなってきたことから追肥を行う。竹粉、牛フン堆肥を組合せ、列ごとに変えたが、その後の成長にはほとんど影響なかった。
3月22日 開花が始まる。
4月上旬 株高約1mに達し、開花も30%程度となる。
4月12日 ほぼ満開、株高も1m30cmまで伸びてきた。ミツバチの花粉集めがこの頃から、花の終わりまで活発にみられた。防鳥ネットを外す。
4月26日 カワラヒワ対策のため、再度、細目の防鳥ネットを、高さ1m50cmのところに水平に張る。花の終ったところから莢が実ってきた。
5月中旬 花が終わり、莢が徐々に大きく実るがまだまだ青い。刈取りの設定を、開花から60日以上経過したがまだ早いと判断した。
6月1日 梅雨の合間、集中的に刈取作業を行った。株のままビニールハウスに格納。
6月7日 ビニールハウスから40%程度の株を一宮町の乾燥用に適した作業ハウスに移動。
6月10日 1回目の脱穀作業を、足踏み式脱穀機を使い行った。
6月13日 2回目を行うが、作業効率からたたき落としの方法が良いと判断し、残りの株をすべて一宮に移動し、14日に7人で15日に6人で脱穀を完了した。
6月16日 唐箕で脱穀した種のごみ取りを行い、さらに乾燥させた。
6月21日 乾燥した種を米袋に移し搾油まで、さらに乾燥させることとした。
7月31日 完全に乾燥した種をつくば市、中央農業研究センターの見学、技術相談を兼ねて持込み、搾油を行った。種子重量84kgから28Lの油が絞られた。
結果:種子重量84㎏、1a当たり17.5kg、搾油28L、搾油率33%
●栽培を終えて
「菜の花エコ・いすみ」は前身の「菜の花エコ・大原」の時代から菜の花の栽培に延べ5年間取り組んできました。山間の休耕田を借りてプロジェクトを開始してきたのですが、年々収穫の成果が下がり、限界を感じてきたところ、海に近い畑地を提供していただけることになり、組織も新たに立ち上げ、昨年から条件を変えて取り組んできました。結果は上記のとおり、満足のいく内容でした。
ただ、かけた労力からするととても「採算」に合うものではないことも実感しております。これから取り組もうとしている方へのアドバイスを踏まえて、栽培の留意点は以下のように思います。
①雨の多い気候は仕方ありませんが、水はけが良い土壌、水はけを良くする畑作りがもっとも重要です。
②菜種は意外と肥料食いです。花の菜の花や、食べる菜花とも種類が違い、元肥の入手が大事です。
③虫対策、鳥対策は必ず必要になります。事前に方法を用意しておくと良いでしょう。
④収穫後の脱穀、乾燥も、搾油には大きな影響を与えます。場所・人員の確保、期間、作業手順を決めておきましょう。
など、想像以上に収穫が多い時はとても作業量が多くなることを覚悟しておく必要があります。
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