2012年1月15日日曜日

ロケットオーブン計画、着々進んでいます。

去年の11月頃からアースオーブンについて制作のコーディネートの話があり、会津にいるやヤスさんに連絡を取り協力してもらうことになりました。ところが、昨年の原発事故以来、彼は福島ではとても薪を燃やして、直に火のかかるアースオーブンを作る気になれず、その解決策としてロケットストーブの原理を使った「ロケットオーブン」の開発を模索していたとのことでした。

そこで、今回の制作機会を生かしてロケットオーブンの制作にトライすることになり、様々な情報を集めその中で比較的簡単に、コンパクトなものを設計してみました。
この計画では、使うパーツはホームセンターで普通に入手できて、あとはその土地の粘土、砂、藁と水でできることを想定しています。コンセプトは「だれでも手軽にできる、環境と生命にやさしいロケット燃焼型オーブン」です。

基本のパーツはホームかまどと20Lのペール缶(カー用品の店でタダでもらえます)、及び120φのストーブ用の煙突数本です。それに、組み立ての簡素化のためにケイカル板と断熱用のグラスファイバー
というところです。
これがテスト用の試作品の完成状態です。周りのベンチはオーブンの入り口をふさぐ蓋の設置のために置いた台を想定したもので、本番ではすっきりした台になります。手前に転がっているのは杉の端材のブロックです。ロケット燃焼用には細長い薪が使い勝手が良いのですが、たまたまなくなってしまったため用意したものです。これでもよく燃えました。
これが、後姿です。断熱材の下にはかまどの底面を覆う手製のステンの板材を加工したものがあります。本番では燃焼室のメンテナンスのためレンガを積み中の蓋が開けられるようにします。
燃焼の状態です。煙突のL部のところが燃焼の先端になり、最も温度が高くなるところです。ただこれだけでもどんどん燃えるのがこのロケット方式の特徴です。使用する薪の量は驚くほど少なくてすみます。燃焼度も高く、ほとんど灰が出ません。



この状態で燃やすこと約30分ほどたつと 、庫内の空気の温度で150度(その後温度計の位置を修正した結果230度まで測定できました)近くなりました。オーブン底面は230度、天井部は180度くらいに上がります。十分、いろいろなものが焼ける温度です。
そこでパンピザを作ってみることにしました。焼時間が分からないため30分近く焼いてしまったらこんなに、真っ黒になってしましました。それでも食べると、こんがりおいしく食べられました。 そこで、焼時間を短くして20分でやってみたら、ちょうど良い加減になりました。その後温度が少し下がったところで、焼き芋を作りました、40分で十分です。
こんなところで、初めてのオーブン制作としては上々の結果だったと思います。ヤスさんの指導があってできたもので、よいコラボレーションができました。この方法で、作りたい人を集めワークショップもできると思いました。

この本体を解体して、来週には本番現場に持ち込む予定です。本番完成後にまた報告します。