さすが信州安曇野の高原だ。酷暑の東京や千葉と違い木陰は涼しい。行った先の組合長の種山さんは種山商店をやっている方で、蕎麦屋と商店を営んでいる。地域のために菜の花とそばの同時栽培を提案し組合を作りその中心で活躍しておられる。
訪問当日は、店は休みだが丁寧に対応して頂いた。まず、その人柄に尊敬の念を強く持った。写真ではその人は紹介しないが、見るからに対する人へ安心感と親近感を抱かせる、人格そのものが違うと思った。
栽培の話になると、誠に丁寧でいて、論理的、納得してしまう。こちらが持っていった種や、テスト搾油のサンプルを見て、なぜ種が熟さなかったのか、油が濃い色になったままになっている理由も聞いた。
菜種は莢から出したら、追熟しない、だから刈り取った後茎のまま熟すまで乾燥させるのだが、その乾燥させる方法に問題があったのだ。菜の花は立っていると種が茎から水分と養分を吸収し、まだ植わっているものと思い熟すのだそうだ。横にしたら、もうその作用が止まって黒くならないというのだ。
目から鱗が落ちた思いであった。その他、連作問題も聞いたが基本的には地力の問題で元肥と障害を起こしにくい肥料の供与で解決できるということだ。
蕎麦と同時に種をまき、菜の花がまだ低い状態のうちにそばを刈り取ってしまうので問題ないという。蕎麦も栄養があれば良いものができる。菜の花の成長の邪魔にならないと言うが、実際には日当たりが悪いではないか。刈入れ後、十分リカバリーできるそうだ。なんと、7月から播き初め8月お盆前には播き終わり、翌年6月に刈入れる年間作業なのだ。搾油施設も見せてもらった。自然ろ過をネル袋を用いて行っている。同じ方法で、ヒマワリ、エゴマも絞っている。エゴマはシソ科の植物で油は高級である。栽培はそんなに難しくないようで種も、菜種と同じサイズである。来年のため種を売ってもらうことにした。ついでに蕎麦の種も。どなたか欲しい人がいたら言って下さい。一緒に栽培してみませんか。
などなど、美麻での種山さんとの出会いは、これまで菜の花エコをやってきたお陰で感動がより深いものとなった。